【工業化学科】高梁川流域未来人材育成事業の研究報告(動画付)

 工業化学科の自然エネルギー班が高梁川流域未来人材育成事業へ参加しました。本事業は産業人材の育成、確保を目的として、地域の商工団体や金融機関と高等学校が連携し、アクティブラーニングやキャリア教育への理解を深め支援するものです。最後には事業成果発表会があり、県内の12の高校が取り組みを発表し、専門科から総評を頂きます。本年度はオンライン開催となり、動画(10分)がyoutubeにて公開されていますので、下記のリンク先よりご視聴頂けると幸いです。2022年3月31日まで視聴可能です。

【YouTube】2021年度 高梁川流域未来人材育成事業 事業成果発表会 https://youtube.com/playlist?list=PLHEBx_SNqlhz5JonLASpgnvBjAdXXirDK

 本事業では、農協と連携し、地域資源を活用した新商品の開発に向けて、企画から試作まで一連の流れを体験しています。県内の稲作ではスクミリンゴガイ(別名:ジャンボタニシ)による深刻な食害が年々増加しており、生産者を悩ませています。スッポンはそれを捕食する数少ない生物です。そこで私たちは、そのジャンボタニシを生産者から回収し、さらに農協から廃棄される蓮根をブレンドして配合飼料を製作し、付加価値の高いスッポンの養殖を試みました。また、同時に植物の水耕栽培を行うアクアポニックスにも挑戦しました。その際、設備を稼働するための電力はなるべく太陽光エネルギーによってまかなう方法を検討しました。

 実際に製作したアクアポニックス設備と、トマトの収穫の様子です。真冬にも関わらず、トマトが鈴なりに赤い実をつけました。南国のパッションフルーツも順調に育っています。スッポンがトマトを育ててくれ、完全無農薬栽培です。

 今回の事業を通じて、SDGsの視点からも廃棄されるモノに新たな価値を生み出すことは重要なことだと感じました。さらに農業と漁業を同時に行えるアクアポニックスは、第一次産業の後継者不足等の改善にも繋がる可能性を秘めており、我々のような工業的な知識や技術を活かしやすい分野です。本事業を行うにあたり、興陽高校様にはジャンボタニシの生態調査や捕獲でお世話になり、岡山理科大学工学部山本俊政准教授(工業化学卒)からは養殖技術を学ばせて頂き、JA晴れの国岡山倉敷アグリセンター様からはトマトの栽培方法や糖度の測定方法を教わりました。ご協力頂いた皆様に感謝申し上げます。参加した生徒には、今回の事業を通じて培った課題設定力や問題解決力を活かして、今後の活躍を期待しています。

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