MECIAの記録

MECIAプロジェクト(50周年記念誌より pdfが別窓で開きます)

新素材・新エネルギーを活用した超軽量飛行機の製作
エアロMECIA 〜夢への挑戦〜

(日本工業化学教育研究会全国大会発表資料より pdfが別窓で開きます)

エアロメシアの現在(いま) 平成26年度 平成25年度
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平成26年度のエアロメシア

開始から6年目を迎えたメシアプロジェクトは、昨年末の試験走行を収録した番組の全国放送によって広く日本全体に知れ渡るところとなった。
昨年の反省に基づき、先ずは自動車による曳航試験を行い、本当に飛行できるかどうかを点検する方向で作業をすすめてきた。曳航試験で問題になるのは、曳航時の地上滑走中の機体の方向制御である。今までは尾輪を固定式にして、尾輪では方向を変化させることができなかった。先ずはこの点に改良を加えて、前輪・方向舵と連動して方向を変えることができるように改修した。これによって、自動車による曳航試験が可能になった。また、揚力を増加させるフラップを、取付角度を減じて取り付けられるように改造した。
以下、今年の主要な活動を報告する。

3月22日(土)

自動車曳航による初めての飛行試験に挑戦した。
この試験の結果によっては、今後の活動はなくなるという切羽詰まった試験でもあった。第一、離陸速度も把握できておらず不安極まりない中での試験である。使用翼断面の理論揚力係数は入手できても、実際の翼は、製作の精度によって各部にばらつきがあり、理論どおりにはならない。従って、離陸速度を理論的に算出しても、そのとおりの離陸速度で離陸できるものとは限らない。
今回の飛行試験では、このようなことを含みながら、曳航を毎時30㎞の速度から開始し、5㎞ずつ増やしながら行った。また、機体は軽い方が小さい速度で離陸し易いから、モータとバッテリーを搭載しなかった。天候も味方してくれ、当日は、ほぼ正対の風約15㎞が利用できる好条件であった。
試験を開始し、曳航速度40㎞で試験中、走行終盤で機体が一瞬15㎝程空中に浮かんだ。
翼の揚力が一瞬機体の重力に勝ったのである。飛行姿勢に乱れもなく安定した状態だった。これで飛行できるという確心が得られた。まさしく感動すべき瞬間であった。これで、後は速度を上げれば必ず飛行できると確信できた。
次の試験で、速度を5㎞増やし、45㎞で曳航することにした。走行開始後、速度を徐々に上げる過程で、42~3㎞、機体がちょうどイルカが海面をジャンプするがのごとく飛び跳ねた。この時、曳航車の運転手がこの模様をルームミラーで見て、躊躇しながらも速度を45㎞まで上げてくれた。その直後、機体は空中を疾駆して、初めて、本当の意味において飛行することが確かめられた。飛行もつかの間、機体を安全に着地させるべく操縦に注力して無事着陸した。
エアロメシアが初めて空中を飛んだ。これで、次の段階に進む条件を得ることができた。次の動力飛行に備えてフランスから可変ピッチプロペラを購入する手はずを取った。

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4月下旬~6月中旬

3月の曳航試験の成功記事が新聞に掲載され、昨年来の念願だった飛行できる機体であることの証明が公にされた。また、依頼をしていたプロペラが、5月上旬にフランスから到着し、プロペラの性能試験を行った。このプロペラは、手動でプロペラの迎え角を変えることができ、現在使用しているモータに取り付けて、最適な角度を得るべく数回の試験を行った。
その結果、米国から購入したプロペラと性能的にはあまり大差ないことが判明した。ただ、フランスから取り寄せたプロペラは、プッシュバック方式という、プロペラを後向きに取り付けるタイプであり、米国製の前向き配置(モータ支柱の前側)と違いがあるとすれば、フランス製は、後向き配置(モータ支柱の後側)であるが故に、モータ支柱によるプロペラ後流の乱れは生じない。それによってプロペラ効率は多少の改善が見込まれる。あわせて、3月の試験時に折損した左補助輪の改造も行った。補助輪に弾力性がないため、接地時の衝撃で折損することが分かり、補助輪に接地時の衝撃吸収機能を追加した。

6月28日(土)

6月上旬に入り、地元の報道機関から取材の依頼があり、3月の自動車曳航試験を再現することになった。
この日は天気も良く、飛行試験にはまずまずの条件であった。予定通り取材撮影が行われる中での試験であった。先ず、3月の試験時と同じくモータとバッテリーを搭載しない状態で2回曳航飛行を行った。
今回は、離陸速度が分かっている中での試験であるので、速度さえ確保できれば必ず飛行できるので比較的安心して試験を行うことができた。
続いて、新たに自立飛行と同じ重量での飛行、即ちモータとバッテリーを搭載しての飛行を試みた。これは初めての試みではあるが、既に飛行できることが分かっているので、あらかじめ増加重量で計算しておいた離陸速度を頭に置いて試験に臨んだ。走行開始から徐々に速度が上がり、事前に算出した速度に達した時、操縦桿をゆっくり引くとエアロメシアの機体は空中に舞い上がり、自立飛行にまた一歩近づいた。
この状態での飛行を3回行い、安定性や操縦性を確認するとともに、この機体の操縦に慣れるよう努めた。この模様は、7月上旬に放送された。

9月27日(土)

 8月上旬に航空局に申請した飛行許可が下りて、9月中旬から一ヶ月間のジャンプ飛行が許可された。
6月の取材と同じ報道関係者が取材する中での自立飛行試験となった。昨年来の課題である出力不足を改善するため、ベンチテストを繰り返す中で、モータに流す最大電流の上限値が徐々に明らかになってきた。これによって、昨年より多少モータ出力を上げることが可能となった。電流量を増やすことによって飛行速度の増加に繋がれば自立飛行が可能となるかもしれない。
この日バッテリーを交換して、合計5回の自立飛行試験を行ったが、飛行には結びつかなかった。(平成26年度校誌 「花筵よ」り)



 平成25年度のエアロメシア        平成26年度へ

創立50周年事業として5年前に開始したこのプロジェクトは、記念式典が挙行された昨年(平成24年)11月までに完結する予定でした。
しかし、日本初となる炭素繊維製機体の製作と再生可能クリーンエネルギーを搭載した小型有人飛行機の製造は、全てが初めての試みでありましたが故に遅れ遅れになり、5年目となる今年度までずれ込んでしまいました。以下、今年度の主要な活動を報告します。

3月20日(土)

機 体が組み上がり、最初の走行試験を実施しました。この試験は、機体のバランスや舵の動きを点検するもので、車で牽引して時速15㎞程度で走行しました。こ の試験では次のことが判明しました。操縦桿を左右いっぱいに動かしても補助翼が所定の位置まで動かないこと、機体の左右のバランスがとれていないことが分 かりました。後日、補助翼制御用ベルクランクのスパンを短くすることによって、操縦桿の動きが小さくなりこの問題を解決できました。

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5月3日(金)

2 回目の走行試験を実施しました。左右のバランスを調整し、時速30㎞程度で走行しました。前回問題となった補助翼も問題無く可動することを確認しました。 ただ、離陸に十分な速度に達するまでの間、左右のふらつき修正が、今回新たな問題として浮上しました。また、飛行試験に向けて、航空局からのジャンプ飛行 の許可を貰うため、耐空性審査資料、強度計算書、強度試験の証拠写真等の提出資料の作成も並行して行いました。

5月13日(月)

3 回目の走行試験を実施しました。今回は、動力を搭載し、自立走行が可能となりました。米国から購入した動力推進システムは、リチウムイオンバッテリから電 力を供給してプロペラを回転させるものです。最大電流は200アンペアに達するもので、15キロワットの出力を発生します。この日は、電流を 100~150アンペア流して走行しました。前回問題となった左右のふらつきを解決していないため高速走行は控えました。

5月25日(土)

延 び延びになっていたエアロメシア完成披露式典を笠岡ふれあい空港で挙行しました。来賓として岡山県教育長をはじめ、エアロメシア製作にご協力頂いた関係企 業の方々をお招きし、生徒、保護者、一般の見学者を含めると100人以上の参加者が集う中で盛大に執り行うことができました。式典終了後、参加者が見守る 中でデモ走行を行い、無事に予定していた行事を終了することができました。
この日は、式典に先だち、県内企業の協力によって借用した日本製バッテリを使用して高速走行を実施しました。米国製バッテリに比べ電圧が多少高く、モータ出力も十分に得られることが分かりました。

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7月6日(土)

当 初から問題となっていた滑走開始直後のふらつきを解消するため、急遽、車輪を2輪から三輪へと改修しました。このことによる走行状況を確認するため、今回 の試験となりました。試験では非常に安定した走行を行うことができました。昇降舵による姿勢制御も問題無いことを確認しました。30分程度の走行で分かっ たことは、最大速度が時速55㎞ぐらいまでしか上がらず、離陸に必要な速度が得られないことが判明しました。これは、三輪化による重量の増加と接地抵抗の 増加が速度を押さえる要因として働いているものと思われます。三輪化への改造は、安定化には寄与するものの、速度の阻害要因となり採用できないと判断しま した。

8月3日(日)

車輪を再度二輪に戻すとともに、ふらつき防止のため、両翼端に、先端に小さな車輪を付けた棒を取り付け ました。これによって滑走開始から安定した走行ができるようになりました。走行試験では、滑走速度を時速70㎞弱まで上げることができるまでになりまし た。数回の滑走中に機首上げを試みましたが、飛行に繋がる兆候は得られませんでした。

8月18日(日)

今までの走行試験を踏 まえ、試行錯誤を繰り返してきました。今回、プロペラの取付をトラクタ方式からプッシュバック方式へと転換し試験を試みました。これが多少プロペラ効率の 向上に繋がったのでしょうか、速度が不安定ながら時速70㎞を越えるまでになりました。しかし、この速度では安定した離陸は難しい状況でした。

10月12日(土)

前 回の改善に加え、今回は固定フラップを装着しました。合わせて、5月末に申請したジャンプ飛行の許可が航空局から下りました。これで飛行が可能にはなった ものの果たして飛行できるのかどうか疑問の中で試験を開始しました。二往復目に斜面を利用した走行で一時的に速度が増し、機首上げの姿勢からジャンプして 前輪から着地、前輪ホークを痛める事態になりました。

10月30日(水)

番組製作会社からエアロメシア取組に対する取材依頼 があり、デモ走行を行うことになりました。前回までの試験で飛行は難しいということが分かってはいましたが、条件さえ整えば可能かもしれないと内心期待し ました。しかし、当日横風が強く、飛行条件の悪い中での実施となり目的を果たせませんでした。ここに来て、本当に飛べるかどうかの検証をするため、自動車 での牽引を試みましたが、尾輪の構造上の問題で実施できませんでした。

11月9日(土)・10(日)

今年度の全国産業教育フェア愛知大会に出展し、愛知県体育館外広場に展示しました。中京地区の多くの方々に見学して頂き、成果を感じることができました。

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今年は、各界からエアロメシアを評価して頂いた1年でした。
(校誌花筵より メシアプロジェクト顧問 三宅秀俊)

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