平成19年度 岡山県立水島工業高等学校自己推薦による入学者選抜適性検査
 
 
 中学生の太郎さんは、鉄の表面にプラスチックを接着したパイプ(図1)とプラスチック製のジョイントを材料にして、いすを作ることにしました。
 使用するパイプは、図2に示す長いパイプ(長さ475mm)と短いパイプ(長さ270mm)の2種類のみで、これらをさらに短く切断したり曲げたりはしません。また、使用するジョイント類は、図3に示すジョイントA、B、C、D、Eの5種類です。座る部分には、縦250mm、横250mmの正方形のラワン材の板(図4)を取りつけます。
 太郎さんは厚さ15mm、幅300mm、長さ600mmのラワン材の板からこの正方形の板を自分で切り取ることにしました。図5は板を取りつける前の状態、図6は取りつける部分に板をのせた状態を示しています。パイプとジョイントの接合部分は専用の接着剤で接着するものとします。以下の問1〜問6に答えなさい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                  図1 パイプの構造       図2 使用したパイプ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                 図3 ジョイント類      図4 いすに取りつける板
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
      
 
 
 
 
 
 
               図5 製作途中のいす       図6 板をのせた状態(部分)
 
 
問1 図5のいすに使用しているすべてのパイプの長さを合計すると、何mmですか。ただし、このいすに  使用しているパイプは全部で9本です。
 
 
問2 パイプの重さは1mあたり600gです。いすに使用している長いパイプ(長さ475mm)1本の重さは  何gですか。
 
 
問3 図4の板の面積をcmの単位で表すと、いくらになりますか。
 
問4 図3に示されたジョイントのうち、Aを2個、Bを6個、Cを4個使ってできる製品を示したものは下  のア〜オのどれですか。ア〜オの記号を答えなさい。ただし、パイプは直線、ジョイントはすべて●で表  されています。また、ジョイントのすべての穴にパイプが必ず入っているものとします。
 
 
 
 
 
 
 
 
問5 厚さ15mm、幅300mm、長さ600mmのラワン材の板から寸法どおりに図4の正方形の板を切り取り、  いすに固定する作業を、あなたならどのように行いますか。それぞれの作業に使用する工具や機器を記述  し、どのような作業を行うかについて説明しなさい。また、板を切断するとき、安全に作業するために注  意することと、その理由についても説明しなさい。字数は100字以上200字以内で解答用紙に記入しなさ  い。
 
 
問6 このいすの機能、安全性、使いやすさのいずれかを向上させる工夫を一つだけ考えなさい。工夫のため に取りつける部品等の材料、取りつける位置、取りつけ方法を具体的に記述し、その工夫によってどのよう な利点があるかを説明しなさい。字数は75字以上150字以内で解答用紙に記入しなさい。
  また、あなたの記述した工夫を解答用紙の図に描きなさい。絵には説明のための文字を加えてもよろしい。 ただし、いすの座る部分については問5であなたが考えたとおり、ラワン材の板が取りつけられているもの とします。工夫については、不必要な部品や装飾などはいけません。
 
 
 <解答例>
 問1 270×7+475×2 = 1890 + 950 = 2840   答( 2840 mm )
 問2 600×(475÷1000) = 285    答( 285 g )
 問3 250×250 = 62500   62500÷100 = 625 
 問4  イ
 問5  切断する寸法に合わせて、さしがねと鉛筆を使ってラワン材の板に線をひきます。その 線に合わせて、のこぎりで切断します。のこぎりで切断するときは板をクランプでしっか り固定します。板を固定しないと切断中に板がずれてのこぎりの刃で手を切る危険性があ ります。板をいすに固定するには、まずボール盤で板の四すみに穴を開けます。ジョイン トEにも板に開けた穴とかさなる位置に穴を開け、ボルトとナットで固定します。
 問6  いすの脚の部分はプラスチックでできているので、とてもすべりやすいと思います。だ から、脚の部分にゴム製のすべり止めを取りつけます。すべり止めは接着剤でいすの脚の 裏に貼り付けます。そうすればすべりにくくなり、安全にいすに座れます。